キャリアアップ助成金は、パートタイマーや契約社員など有期契約労働者の処遇を改善することにより支給される助成金で、7つのコースがあります。その中で特に申請が多く、使えるのは正社員化コースですが、他のコースも通常の会社経営で普通に行っていることに対して助成金が支給されるものなので、使わない手はないでしょう。

正社員化コース

適用するケース ・パートタイマーや契約社員などの有期雇用労働者を正社員に転換し、賃金を5%以上増額した場合。
・正社員でない無期雇用労働者を正社員に転換し、賃金を5%以上増額した場合。
助成額(1人当たり) ・パートタイマーや契約社員を正社員に転換:57万円<72万円>
・有期雇用労働者を無期雇用労働者に転換:28万5千円<36万円>
・無期雇用労働者を正社員に転換:28万5千円<36万円>
※ここでの無期雇用労働者とは契約の期間の定めはないものの正社員と区別されている雇用形態の労働者を指します。
※<>内の金額は、直近の会計年度における「生産性」がその3年前に比べて6%以上伸びているか、1%以上伸びていて金融機関から一定の事業性評価を得ている場合。
補足 ・毎年度に1事業所あたり20人まで申請できます。
申請方法 (1)キャリアアップ計画書を提出。
(2)就業規則等にこの制度を規定し、労働基準監督署に就業規則を届け出る。ただし、10人未満の事業所の場合は、労働者代表による申立書でも可。
(3)正社員等へ転換。
(4)転換後6か月後から2か月以内に支給申請をする。
※初めての申請は、書類一式を郵送ではなく、労働局かハローワークの窓口に提出するのが無難。書類の不備などを指摘してもらえるので、その場で修正して提出できる。
コメント ・正社員等へ転換する以前に、対象労働者を6か月以上雇用していることが必要。
・パートタイマーや契約社員を正社員に転換するときは、ぜひ申請したい助成金。メリット大!
申請書類(所定の様式)の
ダウンロード
■訓練実施計画届を提出する際に必要な所定の様式一式

・提出書類のチェックリスト(分りやすい千葉労働局版)

・キャリアアップ計画書(様式第1号)

■支給申請書を提出する際に必要な所定の様式一式

・提出書類のチェックリスト(分りやすい千葉労働局版)

・キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)
・支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
・支払方法・受取人住所届 帳票種別「32850」
・正社員化コース内訳(様式第3号の別添様式1-1)
・正社員化コース対象労働者詳細(様式第3号の別添様式1-2)
・賃金5%以上増額に係る計算書(賃金上昇要件確認ツール)
・事業所確認票(様式第4号)
・生産性要件算定シート(共通要領様式第2号)

 

賃金規定等改定コース

適用するケース ・パートタイマーや契約社員などの賃金規定等を2%以上増額改定した場合。
1事業所あたりの助成額
※ここでは対象労働者が4人のケースを例として表記します。
・賃金規定等を2%増額改定した場合:19万円<24万円>
・賃金規定等を3%増額改定した場合:24万7千円<26万2千円>
・賃金規定等を5%増額改定した場合:28万5千円<31万円>
※職務評価を実施して賃金規定等を増額改定した場合は、上記の金額にさらに19万円<24万円>が加算されます。
※< >内の金額は、直近の会計年度における「生産性」がその3年前に比べて6%以上伸びているか、1%以上伸びていて金融機関から一定の事業性評価を得ている場合。
補足 ・毎年度に1事業所あたり100人まで申請できます。

・対象労働者の人数によって、助成額の算出のしかたが異なりますので、詳細は厚生労働省のホームページにある「リーフレット」でご確認ください。

申請方法 (1)キャリアアップ計画書を提出。(賃金規定等を増額改定する前日までに)
(2)賃金規定か就業規則にこの制度を規定し、増額改定後の雇用契約書や労働条件通知書を対象労働者に交付する。
(3)賃金規定等を増額改定する。
(4)賃金規定等を増額改定して6か月後から2か月以内に支給申請をする。
※初めての申請は、書類一式を郵送ではなく、労働局かハローワークの窓口に提出するのが無難。書類の不備などを指摘してもらえるので、その場で修正して提出できる。
コメント ・賃金規定等を増額改定する前日まで対象労働者を3か月以上雇用していることが必要。
・賃上げする時に使わない手はない。メリット大!
申請書類(所定の様式)の
ダウンロード
■訓練実施計画届を提出する際に必要な所定の様式一式

・提出書類のチェックリスト(分りやすい千葉労働局版)

・キャリアアップ計画書(様式第1号)

■支給申請書を提出する際に必要な所定の様式一式

・提出書類のチェックリスト(分りやすい千葉労働局版)

・キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)
・支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
・支払方法・受取人住所届 帳票種別「32850」
・賃金規定等改定コース内訳 様式第3号(別添様式2)
・対象労働者の賃金支払いに関する本人の確認書(ひな型)
・事業所確認票(様式第4号)
・生産性要件算定シート(共通要領様式第2号)

 

健康診断制度コース

適用するケース ・法令に実施が義務づけされていないパートタイマーや契約社員などを対象とする健康診断制度を新たに制定し、延べ4人以上に実施した場合。
1事業所あたりの助成額
(1回のみ)
38万円<48万円>
※< >内の金額は、直近の会計年度における「生産性」がその3年前に比べて6%以上伸びているか、1%以上伸びていて金融機関から一定の事業性評価を得ている場合。
補足 ・対象となる従業員が2人しかいない場合は、それぞれ2回ずつ健康診断を受診すれば述べ4人ということになります。
※健康診断とは「雇入時健康診断」「定期健康診断」「人間ドック」をさしますが、人間ドックの費用については、正社員に対する制度と同様、全額を負担する必要はありません。
申請方法 (1)キャリアアップ計画書を提出。(健康診断制度を規定する前日までに)
(2)就業規則に健康診断制度を規定し、労働基準監督署に届け出る。
(3)健康診断を述べ4人以上に実施する。
(4)4人以上に実施した日の給料日から2か月以内に支給申請をする。
※初めての申請は、書類一式を郵送ではなく、労働局かハローワークの窓口に提出するのが無難。書類の不備などを指摘してもらえるので、その場で修正して提出できる。
コメント ・助成額が従業員の人数に関係ないので、従業員数が少ない会社ほどメリットがある。
申請書類(所定の様式)の
ダウンロード
■訓練実施計画届を提出する際に必要な所定の様式一式

・提出書類のチェックリスト(分りやすい千葉労働局版)

・キャリアアップ計画書(様式第1号)

■支給申請書を提出する際に必要な所定の様式一式

・提出書類のチェックリスト(分りやすい千葉労働局版)

・キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)
・支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
・支払方法・受取人住所届 帳票種別「32850」
・健康診断コース内訳 様式第3号(別添様式3)
・事業所確認票(様式第4号)
・生産性要件算定シート(共通要領様式第2号)

 

賃金規定等共通化コース

適用するケース ・パートタイマーや契約社員(有期雇用労働者等)と正社員(正規雇用労働者)に共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに作成し、適用した場合。
1事業所あたりの助成額
(1回のみ)
57万円<72万円>
※< >内の金額は、直近の会計年度における「生産性」がその3年前に比べて6%以上伸びているか、1%以上伸びていて金融機関から一定の事業性評価を得ている場合。
補足 ・対象労働者2人目からは1人当たり2万円2万4千円>を加算。
申請方法 (1)キャリアアップ計画書を提出。(健康診断制度を規定する前日までに)
(2)就業規則に共通化した賃金規定を規定し、労働基準監督署に届け出る。
(3)共通化後の雇用契約書か労働条件通知者を従業員に配布する。
(4)共通化して6か月たった翌日から2か月以内に支給申請をする。
※初めての申請は、書類一式を郵送ではなく、労働局かハローワークの窓口に提出するのが無難。書類の不備などを指摘してもらえるので、その場で修正して提出できる。
コメント ・新たに作成する賃金規定等に求められる所定の形式があるので、申請を検討される場合は各都道府県の労働局窓口で説明を受けることをお勧めします。要領さえ分れば、「こんなことで何十万円ももらえるの?!」という印象です。
申請書類(所定の様式)の
ダウンロード
■訓練実施計画届を提出する際に必要な所定の様式一式

・提出書類のチェックリスト(分りやすい千葉労働局版)

・キャリアアップ計画書(様式第1号)

■支給申請書を提出する際に必要な所定の様式一式

・提出書類のチェックリスト(分りやすい千葉労働局版)

・キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)
・支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
・支払方法・受取人住所届 帳票種別「32850」
・賃金規定共通化コース内訳 様式第3号(別添様式4)
・対象労働者の賃金支払いに関する本人の確認書(ひな型)
・事業所確認票(様式第4号)
・生産性要件算定シート(共通要領様式第2号)